通常の歯周病治療は、主に歯磨きの指導とバイオフィルム(歯石や歯垢)を除去、そして重度の歯周病には外科的処置を行うというのがほとんどの歯科医院で行われている基本的な歯周病治療です。
しかし、この治療法では、どんなに一生懸命歯を磨いてもなかなか歯肉の炎症が良くならず、腫れや出血・口臭で悩まされ続け、最終的に歯を失ってしまう方が少なからずおられます。
これはとても残念な例ですが、このようなことが起きてしまうのは、歯周病が感染症であるにもかかわらず、原因菌(歯周病菌・カビ)への直接的な対策を行ってこなかったことが大きな要因です。つまり、歯石・歯垢などの汚れを取っても歯周病菌そのものを「除菌」しなければ、またすぐ菌が増えて症状が再発します。だからきちんと歯周病治療をしているはずなのに、良くならないのです。
風邪をひいたときは、薬を飲んで原因菌を殺菌することで改善しますよね。
実は歯周病も同じことが言えます。
歯周病は歯周病原因菌(歯周病菌・カビ)の働き
により引き起こされます。
つまり、その原因となる「菌」を除去することで
歯周病は改善します。
悪さをする菌がいなくなるので当然ですよね。
歯周内科治療では、「歯周病の原因となっている菌を
特殊な顕微鏡で特定し、その菌を薬を使って
ピンポイントで殺菌する」という治療を行います。

位相差顕微鏡と呼ばれる特殊な顕微鏡を使い、現在の菌の状態(種類、数、活動性)を確認することで、今はどういう状態なのか、これからどういう状態になっていくのかが分かります。この結果から治療方針を決定します。

位相差顕微鏡から観察された結果をもとに、次のような対策を立てます。
| カビ・細菌の数が異常に多い | 抗菌薬内服、抗真菌薬(又はカビに効く歯磨き剤)で歯磨き |
|---|---|
| カビは多いが細菌の数は少ない | 抗真菌薬(又はカビに効く歯磨き剤)で歯磨き |
| カビ・細菌ともに少ない | 感染予防のためのメインテナンスと定期検診 |
※「抗菌薬」の服用は1日1回で、3日間続けて頂きます。
※「歯磨き剤」は真菌(カビ)を除去するもので、天然成分で構成された安全なものです。
副作用の心配はありません。
原因菌の1つである「カビ」は自然界に普通に存在していて空気中を漂っています。
よって、お口の中に入ってくるカビをゼロにすることはできません。しかし、その数を減らすことはできます。歯磨きをするときにカビを減らすための抗真菌薬または歯磨き剤を使います。
もう1つの原因菌「歯周病菌」には、抗菌剤を服用します。
歯周病菌に特に効きやすい抗菌剤を飲むことで、お口の中の歯周病菌を減らすことができます。
歯垢や歯石を取り除いて清潔にし、
細菌の生息しにくい環境に整えます。

薬の服用から1週間後、歯周病菌の減少具合を位相差顕微鏡で確認します
この段階で歯周病菌の減少が確認できた場合は治療終了になります

歯周内科治療を行うことで90%近くの方の歯周病が改善します。
しかし、それで安心してはいけません。
原因菌の1つである「カビ」は口腔内常在菌といって、お口の中に必ず住み着いている菌です。たとえ徹底的除去しても、この菌は普通に空気中に漂っていますので、食べ物や手の指などから再びお口に戻ってきます。全滅させることは不可能なのです。
もう1つの原因菌の「歯周病菌」も同様です。
本来、人は生まれたときには、お口の中に歯周病菌は存在しません。
回し飲みや回し食い、箸の使いまわし、キス、くしゃみなどが感染ルートととして人から人へ感染します。
このなかでも一番感染率の高い行為は、キスなどの性交渉です。
歯周病だけでなく、虫歯も同じで、唾液(だえき)を介して感染することがあります。
だからといって、キスするたびに「この人は大丈夫かな?」などと気にしていては、ムードを楽しめないばかりか、相手を不快にさせてしまいますよね。そうならないためにも、パートナーとのデートに、1回くらいは2人で歯科診療の日を設けてみるのもいいかもしれません
つまり、歯周病菌をたとえ「ゼロ」にしたとしても、感染症であるため、日ごろの徹底したブラッシングだけでは予防は出来ません。
ですから毎日の歯磨きは当然として、歯科医院における定期検査(菌の確認)とプロフェッショナルクリーニングが大切となります。




